裾上げの際に重要となるのは、以前紹介したとおり、
- UNION SPECIAL
- 43200G
- 綿糸の使用
- 適切なミシン調整ができる店舗
の4点である。
裾上げ後、ようやくジーンズを着用することになる。しかし、この状態のままで問題となるのが、裾のうねりが十分に出ていないこと、そして着用初期のアタリ形成の機会を逃してしまうことである。
今後どのような穿き方をするにしても、着用初日から裾にうねりが出ていた方が望ましいだろう。

たいした内容ではないが【Method】裾上げの最適解の内容を補完する意味も込めて、洗濯によって全体的な色落ちを進行させることなく、裾だけにうねりを出す方法を紹介したい。
やるべきことは、次の3工程のみ。非常にシンプルである。
① 裾を部分的に濡らす ⇒ 縫製糸の収縮を促進する

この工程の目的は、綿糸の収縮を促すことにある。
綿糸は吸水すると、繊維径の膨潤や撚り構造の変化が発生する。その結果、糸は太くなり、長さ方向には短くなる。
② 裾を屈曲運動させる ⇒ 縫製糸の収縮に伴う生地移動を促す


裾を繰り返し屈曲させる。別の表現をするなら、蠕動運動、波状駆動、あるいは蛇行運動に近い。
UNION SPECIAL 43200Gでの裾の縫製は、生地が折り重なった状態を貫通する際、縫製糸の「入口」と「出口」にズレが発生する。
この状態で糸が収縮すると、そのズレを補正する方向へ力が働く。結果として、折り重なった裾の生地同士が相対的にズレ、捻じれやうねりが発生する。

③ 濡れた裾を乾かす ⇒ 縫製糸を収縮させきる
自然乾燥でも一定の変化は確認できる。しかし、綿糸の収縮条件である「熱」を加えることで、さらに強いうねり出しが可能となる。
意識すべきなのは、偶然の産物とも言える「UNION SPECIAL 43200Gの奇跡」である。
つまり、裾の折り重なった生地に対し、縫製糸の「入口」と「出口」にズレが生じていること。そして、そのズレを糸収縮が補正しようとすることで、アタリ、ローピング、パッカリング、うねりが発現する。
この構造を理解していれば、必ずしも①〜③の工程そのものに拘る必要はないだろう。



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