【Method】裾上げの最適解

Method

ジーンズに何を求めるかは人それぞれだが、裾の色落ちに関する理想像はある程度共通している。

ここでは、理想的なアタリ、ローピング、パッカリング、うねりを生み出すために必要な要素を整理する。

結論として、重要となるのは以下の2点である。

 ① UNION SPECIAL 43200Gによるチェーンステッチ

 ② 綿糸の使用

UNION SPECIAL 43200G・綿糸による処理
使用ミシン不明・コアスパン糸による処理

▶UNION SPECIAL 43200Gについて

「43200G」は、1940年前後に生産が開始され、1980年代にはすで製造が終了していたとされ、絶対数は不明、現存数は100台あるかないか程度と言われている。

当時の定価は約40万円、現在は60~100万円程度で取引されるケースが多い。

愛好家の間では初期型、中期型、後期型の3世代ほどに大別できるとされ、主にボディカラーや細部パーツに違いが見られる。

なお、チェーンステッチによる裾上げ自体は他のミシンでも可能であり、例えばUNION SPECIAL 33700Fでも対応できる。

両者の本質的な違いは運針機構にある。

33700Fがほぼ垂直に針を落とすのに対し、43200Gは斜め方向に運針する。

UNION SPECIAL 43200G(初期型)
UNION SPECIAL 33700F

この斜め運針により、生地の重なりに対して糸の「入口」と「出口」にズレが生じる。これが、独特の立体的なアタリを生む要因となる。

針が生地に対して斜めに入る様子 UNION SPECIAL 43200G(中期型)

また、仕上がりの巻き幅やステッチ幅によっても表情は変化する。

さらに、同じ仕様であってもミシンの調整状態や個体差の影響は大きく、仕上がりには差が出るため、技術的な理解と調整力を持つ店舗に依頼することが重要となる。

巻き幅8mmと14mmの違い(共に43200G・綿糸使用)

▶綿糸について

43200Gによる縫製では、前述のとおり「糸の入口と出口のズレ」が重要な役割を果たす。

ここに綿糸の特性が加わる。綿糸は洗濯によって収縮するため、このズレが引き締められる方向に作用し、裾に立体的な凹凸、すなわち「うねり」を形成する。

さらにチェーンステッチ構造自体が持つ伸縮性も、この変化を増幅する要因となる。

▶まとめ

単に「チェーンステッチで裾上げ」するだけでは不十分である。

「UNION SPECIAL使用」という条件だけでも足りない。

理想的な色落ちを得るためには、以下の4条件が揃う必要がある。

・UNION SPECIAL
・43200G
・綿糸の使用
・適切なミシン調整ができる店舗

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